日本式美容施術

美容目的の訪日が流行する兆しが見えています。2016年に行われた訪日経験のあるアジア女性800人を対象としたリクルートによるアンケート調査では、「美容に関して憧れる国」として、日本が韓国やフランスを抜いてトップとなりました。そして、その約半数が日本の美容室やエステティックサロンを訪れたいと答えており、現在の日本の美容業界では、「インバウンド」を文字った「美ンバウンド」という造語も使われるようになりました。
このような「美ンバウンド時代」において、東京インターナショナル鍼灸院は、鍼灸治療と美容鍼灸の施術ばかりでなく、「経穴美顔術」「経絡痩身術」などの日本発、日本独自の美容目的の技術サービスをご提供しています。

私たちは、東京港区の麻布十番において、1997年にはじめて鍼灸治療室を併設した美容サロンを開設しました。港区は外国人居住者が多い場所柄で、開業当初は6割近くの顧客が欧米人という時期もありました。そこで、外国人顧客に対する訴求力を高めるため、東洋独自、日本独自の美容技術を提供したいと考えました。そして、そのためには、日本あるいは東アジア特有の知識体系や技術に立脚したコンセプトや施術を確立することが不可欠です。

健康と美、あるいは手技などについて、東アジアにしかない特有で特色的なのものと言えば、やはり「東洋医学」でしょう。また、日本人が行う仕事は、丁寧で繊細、日本と日本人に対する信頼性(ブランド力)、清潔感と洗練性などについて、高く評価されています。そこで、東洋医学の知識体系と技術に基づき、上記のような日本と日本人の利点を活かしたサービスを確立することができれば、上質で洗練された日本独自のサービスを「Japanese Beauty」として世界に提唱していくことができるのです。

そこで、北川毅の専門分野である東洋療法の理論と手法を基盤として、中国の美容推拿の手法なども研究し、「経穴美顔術」「経絡痩身術」「頭皮美容術」など、独自の美容技術を考案し、実践してきました。現在、これらのサービスは、アジア最高峰のスパであるタイの「チバソム・インターナショナル・ヘルス・リゾート」においても期間限定で提供されており、その技術は高い評価を受けています。日本独自の美容の技術サービスが、アジア最高峰のスパにおいて、世界中のゲストから高く評価されているのです。

・経穴美顔術
経穴(けいけつ)とはツボのことで、鍼灸や按摩などの施術で用いられる治療ポイントです。WHO(世界保健機構)の規定によれば、人間の体には361個の経穴が存在するとされ、それぞれの経穴には、体や精神に対する特定の効能があるとされています。そして、頭部と顔面部は、全身のなかでも特に多くの経穴が存在しているところです。経穴美顔術は、このような東洋療法の知識と技術を、顔面部の美容に応用した手技による美顔術であり、「点穴法」と呼ばれる技法を用いて顔面部や頭部の経穴に刺激を与えることを特徴としています。
東アジアの国々では、古来より、手技を用いた施術が養生法あるいは治療法として行なわれてきました。そして、「点穴法」とは、押す、揉む、擦るなどの手技を用いて経穴に刺激を与える東アジアの特徴的な手技です。点穴法によって頭部や顔面部の経穴に刺激を与えることで、顔面部の美容に対して効果的な反応を得ることを期待することができます。顔面部は最も人目につきやすい部位であり、審美上特に重要な部位として認識されていることから、経穴美顔術は、Japanese Beautyの主要な施術のひとつとして位置づけられています。

ヨーロッパのエステティックの分野においても、手技を用いた美顔術は「フェイシャルマッサージ」として行われています。フェイシャルマッサージは、顔面部の皮膚の新陳代謝や血液循環を改善することを主な目的として、顔面部局所の皮膚や筋肉を対象として行われます。一方、このような目的ばかりでなく、点穴法によって、顔面部の経穴の美容に対する効能を期待することができるということが、経穴美顔術の大きな特徴です。
また、技法面においては、フェイシャルマッサージの手技が「線」や「面」の動きが主体であることに対し、経穴美顔術は「点」の動きを主体としていることが特徴です。経穴美顔術は、点穴法をはじめとする伝統的な知識と手法を美容目的に応用し、日本発、日本独自の美顔術として確立された手法です。

経絡痩身術は、痩せたいと希望する部位の贅肉を落とし、局所のサイズダウンをはかることを目的とした手技による痩身術に、東洋医学の経絡経穴の理論に基づく経絡健身術を加えた施術です。この2つの手法の相乗的な効果によって、健康的に痩せることを目指しています。痩せたい部位とは、腹部、大腿部、臀部などの局所的な部分であり、手技による痩身術では、局所の皮下脂肪や筋肉に対して、動きと刺激量の大きい手技を行ない、他動的に局所の皮下脂肪や筋肉の代謝を促進するとともに、セルライトと呼ばれる皮下の脂肪質沈殿物を刺激します。また、経絡痩身術の手技には、他のハンド・トリートメントと同様に「局所の血行を改善する」「浮腫を改善する」などの効果もあり、このような効果によっても、局所のサイズダウンをはかります。経絡痩身術は、痩身術の手技によって局所のサイズダウンをはかるだけでなく、より健康的に痩せることを目的として、経絡健身術の手法を部分的に応用しています。

経絡健身術は、東洋医学の経絡と経穴の理論を、オイルを使用した健康法や養生法としてのトリートメントに応用した手法です。東洋医学では、人間の体には「気」という目には見えない物質が循行していると考えられています。気とは、人間が生きていくために必要な生命エネルギーのことで、「経絡」(けいらく)と呼ばれる特定のルートを通じて全身を循行しているとされています。そして、体表付近を循行する経絡上の要所が「ツボ」と呼ばれるところです。